その態は老梅の如し、花は無く、深奥なり。 武禹襄、太極拳経、武式太極拳は太極拳の源流です。太極拳経(王宋岳)に「立如平準、活似車輪、偏沈則随、双重則滞(立てば秤の如く、動けば車輪の如し、傾き沈め
ば動きは崩れ、双重であれば動きは滞る)」とあります。武式太極拳は、太極拳の理論すなわち易経における陰陽の理論より合理的な解釈を求め、実戦を想定し、套路を組み立てていった「武術」です。
内家拳研究会二十周年記念表演会において、集体で表演するに至ったのは、楊進老師と武式太極拳第六代伝人薛乃印老師の友好があり、奨励されているからです。薛乃印老師は3年前に初来日され、以来毎年ご教授されています。ふだんは内家拳研究会武式班・中藤先生、やわらぎ会・下川先生を中心として練習が行われており、時には講習会を開催して普及活動に努めています(やわらぎ会ホームページをご参照くださ
い。このホームページのリンクから訪ねることができます)。セミナーでは、このような武式太極拳の特徴を教えていただきました。
1.まず外形をもって内動を導く、さらに内動をもって外形を支配する。
2.外形は立身中正。気は骨に劔入し、神気が湧く。内外共に修まり、剛柔相済となる。
3.套路が多く、変化に富 んでいる。健身作用があり、実用性が高い。
4.弓歩の足は直線上に置かれる。
5.協調を重んじ、腰をもって軸となす。
6.神(神とは神態、様子、様)は内外三合を究め る。
などです。
武式太極拳の初級套路である三十二式の拳譜は以下の通りです。
1.起式 2.左懶扎衣 3.右懶扎衣 4.単鞭 5.提手上勢 6.白鵝亮翅 7.左樓膝拗歩 8.右樓膝拗歩 9.上歩搬ラン捶 10.六封四閉 11.右斜飛式 12.左斜飛式 13.海底針
14.沖天炮 15.右野馬分ソウ 16.左野馬分ソウ 17.右ピエ身捶 18.単鞭 19.雲手 20.下式 21.左更鷄独立 22.右更鷄独立 23.肘底看捶 24.倒ケン猴 25.雙擺掌
26.穿掌下式 27.上歩七星 28.退歩跨虎 29.擺蓮脚 30.彎弓射虎 31.雙抱捶 32.収式 (やわらぎ会HPより抜粋)
。今回のセミナーで習った三十二式は、二十周年記念表演会でも表演されました
太極拳五大流派のひとつ武式太極拳を味わってみませんか。きっと目から鱗が落ちる でしょう。
(太極学院・白井大治)
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